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2012/05/03

日本国憲法、どの条文が好きですか?

今日は、第65回目の憲法記念日。
本務校は講義日で、朝一限からの講義が終わって、ほっとしているところ。

以前に勤めていた大学で現代人権論という講義を担当していた時には、憲法記念日にあわせて、「好きな条文をひとつ挙げ、その理由を書きなさい」という課題を出したのを思い出していた。
学生の皆さんの意見・理由は、なかなかに興味深く、考えさせられることも多かった。

私は、

13条も、14条も、24条も、好きだし、
21条や19条も大切だと思う。

でも、一番好きな条文は、12条です。
第12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」

12条は、多くの場合は後段の「公共の福祉」による制限との関係で論じられるのですが、
私が好きなのは、前半の「自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」というところです。
基本的人権は、常に常に鍛えていなくては、鈍ってしまうということかなと。人権はいわば永久運動的な側面をもっていることを考えると、普段の努力という側面は大切なのではとおもいます。
なんでもかんでも人権侵害と言い募るのが良いということではありませんが、現在感じている痛みが、人権というツールに照らすとどう映るのか、鏡自体が曇ったり歪んだりしていないのか、などなど考えたいです。
もっとも、人権侵害されている人にとっては、努力ということ自体がピンとこないかもしれませんが、他者の人権侵害に敏感になることは、なかなか難しいことも含め、自分の痛みや被害や侵害状況を他人に伝えることもまた、人権という枠組みの大切な側面と思います。

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