book : 実務ジェンダー法講義
吉岡睦子・林陽子編著
法科大学院テキスト対応とあり、非常にインフォーマティヴな教科書である。
構成も、工夫がされており、それぞれのご専門の方達が執筆している。
ただ、ジェンダー概念そのものの説明というか、ジェンダー法のスタンスというか、
今までの男女平等論とどこか違うのか、という点がはっきりしないのが、気になった。
もっとも、実際の講義は、たいてい15回なので、盛りだくさんの講義の中では、このことにそれほど時間をかけてはいられないのは、十分承知しているのだけれど・・・
でも、ここのところが合点してもらわないと、なかなか法体系の中にジェンダー概念を根付かせることは難しいと思う。逆にここを合点してもらえば、細かい論点については、応用が利くようになるのではないかしら・・・。
私自身がとて苦労している点なので・・・
いずれにしても、
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コメント
> ジェンダー概念そのものの説明というか、ジェンダー法のスタンスというか、今までの男女平等論とどこか違うのか、という点がはっきりしない
困りましたなぁ.ここら辺をキチンと説明してくれないと,「ジェンダー法学」のポテンシャルを明確に示せないのではないか,と愚考しているのですが.
投稿: おや痔@(*`) | 2007/12/04 00:14
おや痔@(*`) さん
コメントありがとうございます。
まぁ、このあたりのことは、教員がそれぞれ講義の中で工夫するところかと・・・それに、理論的な説明と、具体的な論点の中での議論をうまく組み合わせる必要がありますので、講義それぞれの回の内容を順に示す教科書としては、この本のような構成になるのですね。
それに、あまり強い個性で書いてしまうと、書いた本人以外は使いにくいので、その意味でもこの教科書は、バランスがとれていて、良い教科書だと思いますよ。
投稿: いのうえ | 2007/12/04 08:27