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2005/04/21

非嫡出子の国籍取得

すでに旧聞になるのでしょうが、
外国籍の母親と日本人の父親との間に生まれた子供の国籍取得を巡って、国籍法を違憲とする判決が東京地裁で4月13日だされた。
報道によると、

 婚姻していない日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれ、出生後に父親から認知された男児(7つ)が、国に日本国籍の確認を求めた訴訟。
鶴岡稔彦裁判長は「両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない国籍法第三条の規定は違憲」との初判断を示し、男児の訴えを認めた。男児の弁護団によると、国籍法の規定を違憲とした判決は初めて。
ということ。

国籍法によると日本人の父と外国人の母の間に生まれたこどもは、
  父母が法律婚をしている場合か、出生後法律婚をした場合(準正)の他、
  出生前に父親が認知した場合(胎児認知)にも認められる。
逆に言うなら、胎児認知のされていない嫡出子の場合は、たとえ出生後に認知されても父と母が婚姻しないかぎり、国籍は認められないということになる。認知の他に、父と母の婚姻が国籍取得の要件になっている。

今回の裁判は、この出生後に認知された子どもを巡ってのもの。

外国人の母と日本人の父との間の子どもの国籍取得に当たって、認知が出生前(胎児認知)と出生後で、こんなにも違うのは、市民にはなかなかわかりにくい。
また、認知を生まれた子供に対してすること・・・と考えている人が多く、胎児認知の文化があまりない日本では、この違いは一般には意識されていない気がする。
このような差をもうけていることについて、判例では、国籍取得はなるべく出生時に決まっていることが望ましいから、と説明されてきたようだ。

これまでも、補足意見の形では、「国籍法は法の下の平等に反する疑いが濃い」(最高裁第2小法廷 02年11月22日)とされていた。
 この判決では、「出生による国籍の取得は、できる限り出生時に確定的に決定されることが望ましい」との考えから、「出生後の認知だけでは日本国籍を認めないと定めた国籍法は合理的根拠があり、合憲」と判断し、原告側の訴えを退けているが、
 三人の裁判官が、生後に認知された子の場合は認知に加えて父母の婚姻が必要とされていることが、胎児認知された子とのバランスの点で合理性を欠くとしている。
 さらにその中の二裁判官は、「両親が婚姻したかどうかといった、子供が自らの力で決められないことによって差を設けるべきではない」憲法14条違反の疑いが濃いとしている。また、父母が法律婚をしていなくとも、母が日本人の場合は国籍が認められることから、法自身国籍を認めるに当たって、法律婚が重要な用件であると考えている訳ではない。さらに、国籍法3条は「日本人を父とする非嫡出子に限って,その両親が出生後婚姻をしない限り,帰化手続によらなければ日本国籍を取得することができないという非嫡出子の一部に対する差別をもたらすことと」なるが、立法趣旨からしても合理的とは言えないとしている。
もっとも、母が出生前に別の人と婚姻中であった場合など、例外的に出生後の認知でも国籍取得を認めた例(親子関係不存在確認後の認知 最高裁第二小法廷97.10.17)もあるが、これはあくまでも例外としての判断。
今回の判断は、これらの補足意見をさらに進めて、
父親と男児らの関係を「家族としての共同生活と評価するに値する」とし、「内縁の父母が認知した子どもと共同生活を営む例は少なくない」と、国籍取得に当たって考慮されるべき親子関係は、伝統的な家族にはこだわらない考えを示した。男児の父親が二人の女性と重婚的な関係にあることも「重要な要素とは言い難い」と問題にしなかった。

なお、12日には東京地裁に、フィリピン人の女性と日本人の男性の間に生まれた子供9人が、国籍の確認を求めて、訴えを提起した。

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