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2004年6月

2004/06/28

フィガロの結婚は冬のソナタだった?!

 言わずとしれたモーツワルトのオペラである。昨晩、若手の登竜門として有名なスポレートオペラの引っ越し公演で「フィガロの結婚」を聞くことが出来た。
 「恋ってこんなものかしら」とか、「有名な手紙の二重唱」、オペラブッファのお約束通りにキャスト全員がそろって歌う六重唱など、名曲がずらり。演出は伝統的で、パントマイムの方が一人出演しているのが、目新しく興味深かった。演奏は、突出した存在はいなかったけれど(私の一番のお気に入りはバルバリーナ、とにかくのびのある声が素晴らしかった)、粒ぞろいの演奏で、本当に楽しむことができた。初めのうちは、伯爵がちょっと軽いかなと思ったけれど、途中からぐんぐん良くなった。4・5回は見ている「フィガロの結婚」の舞台だが、これまではキャストの一人が不調で、アリアは出色の出来でも、せっかくの四重唱や六重唱が今ひとつということが多かったが、今回のは、本当に全員調子が良かったようで、大満足でした。
 このオペラ、法学徒にとっては、「初夜権」をめぐる物語としても有名である。中世に領主に、領民に対する人的な支配の方法として認められていた権利である。Jus prima noctice という。フィガロの結婚では、この初夜権をいったん放棄した伯爵が、それをまた取り戻そうとする。この野望は、従者であるフィガロやスザンナ、そして伯爵夫人の「計画」により、破られてしまうのだが、このあたりのことも、このオペラが貴族の没落・革命の予兆を描いていると言われたりするゆえんでもある。
 それにしても、このオペラ筋立てはかなり強引である。伯爵が婦人の寝室の窓からケルビーノが出て行ったのに気がつかないのは、いかにも間抜けだし、いくら夜とは家、自分の恋人や夫だと気がつかないというのにも、無理がある。極めつけは、借金の方に結婚を迫っていたのが、実は実母だった・・・という設定である。以前は、このようなかなり無理のある設定であるからこそ、「キャハハ」と笑えるのだし、それでもアリアや重唱にうっとりするのこそが、音楽の力なんだと、思っていた。でも、今回見てみて、「フィガロの結婚は、冬のソナタだった」ということ気がついた。進行の強引さ、思わず「それはないでしょう」とつっこみたくなるところが、そっくりである。私の友人(もちろん冬ソナにはまっている)によると、「この設定は日本ではあり得ない」って言って、つっこみながら見るのが楽しいのだそうである。
 フィガロの結婚の舞台を見るたびに、あるいはとても有名な序曲を聞く度に、これからは、ヨン様のことを思い出すことになりそうである。

PS 初夜権をめぐる作品の私のお気に入りは、やっぱり「ブレイヴハート」である。スコットランドの英雄、ウイリアム・ウォレスの物語なので、比較研究ヨーロッパの授業で、教材として取り上げたこともある。こちらは、イングランド王エドワード1世がスコットランド貴族を懐柔するために、廃止されていた初夜権を認めた。ちなみにエドワード1世は、映画では自らもフランスから迎えた王妃に初夜権を行使しようとしたが、失敗することになっている。一方、ウォレスは、初夜権を逃れるために、秘密の結婚をしたことが領主に漏れ、妻を殺される。それが彼の復讐心に火をつけてしまう。
 この映画の中の秘密の結婚は、ラテン語ではなく英語(スコットランド英語)で行われ、死に際しても、正式の葬儀がラテン語で執り行われるのに対し、夜間人目を忍んで敢行される儀式では、民族楽器のバクパイプがならされている。

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ホントに男性のスカートが流行るかも・・・映画「トロイ」

「トロイ」の単純さは、娯楽としての映画の魅力です。
ブラビは、かっこいいし、
オーラン・ブルームは、憎めない感じだし・・・
ピーター・オトゥールは、渋いし・・・
ヘクターも素敵だったし(一番好きかも)、オデッセイも、ああここから放浪の旅が始まるんだって思ったし。(二人の俳優さんの名前が分からない)
ブラビ以外は、アメリカ人がいないね。

それと、男優さんが来ている普段着(鎧じゃないときの服)がすごく素敵だったよ。藍染めだったり、プリーツプリーツみたいだったり・・・どこかの映画評で、「この映画の影響で男性のスカートが流行るかも」と読んだけれど、さもありなんと思わせるほどのかっこ良さでした。

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