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2004年5月

2004/05/31

ジェシー・ノーマン モノオペラ

 シェーンベルク「期待」とプーランク「声」というなかなかに凄い組み合わせのプログラム。パリ・シャトレ座の企画もの。
 フランス流(?)の斬新な演出が結構好きな私は、それこそ大きな期待を持って出かけた。同伴の夫には、やや不評だったようだが・・・・
 「期待」は、とにかく光の演出がとても素敵だった。壁に埋め込まれたり、舞台の上に置かれたオブジェが浮き上がったり、消えたり・・・でも、最後の最後のバルコニーのある家のところは、ちょっと・・・
 「声」の方は、シンプルな舞台だったが、後ろの壁の色が、だんだんに変わっていくのには、歌の内容というか、主人公の精神状態の変化とともに、鬼気迫る感じであった。ちなみに、最初の壁の色が我が家のダイニングと同じだった(ははは)。
 ジェシー・ノーマンは、「期待」ではやや物足りない感じがしたが、「声」では本領発揮。幕後もご機嫌で、5回以上のカーテンコールであった。
 

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改正DV法成立

 27日、衆議院で改正DV法が成立した。これは、附則にの三年後の見直しを前倒しする形で、参議院の共生社会調査会・プロジェクトチームと、被害当事者そしてそれを支える民間のサポートグループが協力する形で進められてきたものである。
 主な改正点は
(1) 配偶者からの暴力の定義を保護命令に関する部分を除き、身体に対する暴力だけでなく心身に有害な影響を及ぼす言動まで拡大した。
(2) 保護命令の対象を元配偶者にも広げる。接近禁止命令は、被害者と同居している子どもも対象にする。退去命令の期間を2週間から2ヵ月に延長し、再度の申立ても可能とする。
(3) 市区町村による配偶者暴力相談支援センターの業務の実施を可能にする。
配偶者暴力相談支援センターは、保護だけではなく、自立支援に関する責務を持つことを明確化し、調整機能の発揮についても明記した。
(4) DV対策に関して、国に基本方針を、都道府県に基本計画の策定を義務づけた。
(5) 警察による必要な援助、および、福祉事務所などの自立支援の明確化した。
(6) 関係諸期間に関する苦情の迅速・適切な処理に努めること。
(7) 外国籍の人・障害者への対応を明記した。
(8) 三年をめどとした見直しをおこなう。
審議経過・結果については、衆議院の議案ページからどうぞ
議案本文も見ることが出来ます。

 本会議に先立つ衆議院法務委員会では、発議者である参議院の神本議員からは、当事者・民間サポートグループのお陰で、今回の改正ができたことにつき、コメントが、また同じく発議者の福島参議院議員は、今回の議員立法実質的な市民立法であると評した発言があった。
ビデオライブラリーで、審議の様子を見ることが出来る。
ビデオライブラリーのサイトからどうぞ


私も、早速見てみました。
 審議の中で、最高裁判所からは、相手方の審尋の正当な理由無き欠席が、保護命令の迅速な発令の障害となってはならないのであって、現在も他の要件が揃っている場合には、そのような運用がなされているはずである。という答弁があった。また、送達逃れなどを回避するためにも、現在保護命令の半数に関しては、審尋の当日に言い渡しているが、残りの半分についても、今後とも各裁判所で工夫していくことが必要とされた。
 また、今回の大きな改正点として、保護命令の接近禁止命令に関して、同居の子どもも対象となったが、相手方の面接交渉権との関係についても、家事審判などとの関係についても、見解が示された。
 蛇足ですが・・・
 提案者である女性議員に、委員会の女性委員が質問するという様子は、彼女たちのカラフルな洋服とともに、とても、目新しい感じをうけました。
 これから、国や県・市町村の基本方針や計画の策定に向けて、また制度趣旨を生かした運用をめざして、一層の努力を傾けたい。
 最後に、今回の改正で、特に気になったこと
保護命令の範囲が対象や期間の点で拡大したのは、被害者の保護という観点からは、大きな前進であった。しかし、法的サービスのユーザーである被害当事者にとって、使いやすいサービスであるかどうかと言う点では、いくつか疑問が残る。
 第一に、二種類の保護命令発令の基準である。これをわかりやすい形で、あるいは諸外国の例のように、緊急性で発令に要件の差をもうけることはできないのだろうか。もちろん、実際には、そのような運用がなされているのであろうが、それがユーザーにわかりやすい形で伝わらなくては、意味がない。
 第二に、退去命令の期間の延長により、その性質を改めて議論する必要が手出来たことである。二ヶ月というやや中途半端な期間設定の意味するところを十分に議論をし、実務を積み上げて行かなくてはいけない。特に再度の申し立てが認められたことを生かし、被害者の支援につながる形で、制度を育てて行かなくてはいけない。

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2004/05/26

死亡胎児の細胞の利用

 今朝の中日新聞によると、厚生労働省の専門委員会(中畑龍俊京都大教授)が、死亡胎児の細胞を、条件付きながら、臓器再生医療に利用を認める方針を決めたということである。
 胎児細胞の利用に関しては、2002年11月に、同専門委員会は一度容認の方針を決定したが、優生思想に反対するグループや女性の身体を考えるグループなどはもちろん、国会議員からも、反対の声が上がり、再検討を行っていた。その結果が、条件付きでの容認となった。
 この問題に関しては、事実の方が先行している感が否めないところであるが、それだからこそ、専門家任せにしない、広汎な議論が必要である。
 胎児の母親に対するインフォームド・コンセントの問題、人工妊娠中絶との関係など、いろいろ考えるべき点はある。また、死亡胎児といっても、その原因は人工妊娠中絶だけではなく、流産や死産など様々であり、それぞれの状況に合致した形での対応が整備されるのかどうかなど、細かい検討が必要になる。
そして、そもそも死亡胎児の利用に関して合意を取り付ける相手は、誰なのかと根本的な問題ものこっているはず。
 この再生医療は、確かに大きな可能性を持つ分野であるし、社会のニーズが高いこともわかるが、いろいろな立場から検討しなければならないことだけは確か。まずは、来週の授業はこの話題を取り上げ、学生たちと一緒に考えてみたい。

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2004/05/22

DV被害者の生の声

先日、ドメスティックバイオレンス被害当事者の方の講演を聞く機会があった。
「暴力からなぜ逃げられないのか−DV被害の体験を語る−」
なかなかきけないドメスティック・バイオレンス体験者の生(なま)の声
講師  中島幸子さん(「レジリエンス」代表)
 
 被害者が加害者に飲み込まれていく様子を絵であらわして説明して下さった。二人の人間関係、それを取り巻くいろいろな人たち(サポートする人も含む)との関係が、とてもわかりやすかった。
 簡単に発してしまいがちな「どうして暴力から離れようとしないの」などという言葉の持つ暴力性について、改めて考えさせられた。なかでも暴力から逃れた直後の精神状態についての図が、本当に印象的だった。サポートの現場で発してしまいやすい「暴力から離れたのだから安心ね」といった言葉についても反省させられた。
 以前にアメリカ人の心理学者が、DV被害当事者のカウンセリングは大切だけれど、その当事者がカウンセリングを受ける状態になっているかどうかを判断するのが、もっと大切と言っていたことの意味が分かったような気がした。
 また、「DVの被害者は本当は力を持っている」という言葉も力がこもったものであった。
 今回は、 NPO法人フェミニストサポートセンター・東海の年次総会の記念講演であったが、もっと大勢の方に聞いて頂きたい講演であった。

 レジリエンスのWeb Site
 フェミニストサポートセンター・東海のWeb Site

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