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2004/05/31

改正DV法成立

 27日、衆議院で改正DV法が成立した。これは、附則にの三年後の見直しを前倒しする形で、参議院の共生社会調査会・プロジェクトチームと、被害当事者そしてそれを支える民間のサポートグループが協力する形で進められてきたものである。
 主な改正点は
(1) 配偶者からの暴力の定義を保護命令に関する部分を除き、身体に対する暴力だけでなく心身に有害な影響を及ぼす言動まで拡大した。
(2) 保護命令の対象を元配偶者にも広げる。接近禁止命令は、被害者と同居している子どもも対象にする。退去命令の期間を2週間から2ヵ月に延長し、再度の申立ても可能とする。
(3) 市区町村による配偶者暴力相談支援センターの業務の実施を可能にする。
配偶者暴力相談支援センターは、保護だけではなく、自立支援に関する責務を持つことを明確化し、調整機能の発揮についても明記した。
(4) DV対策に関して、国に基本方針を、都道府県に基本計画の策定を義務づけた。
(5) 警察による必要な援助、および、福祉事務所などの自立支援の明確化した。
(6) 関係諸期間に関する苦情の迅速・適切な処理に努めること。
(7) 外国籍の人・障害者への対応を明記した。
(8) 三年をめどとした見直しをおこなう。
審議経過・結果については、衆議院の議案ページからどうぞ
議案本文も見ることが出来ます。

 本会議に先立つ衆議院法務委員会では、発議者である参議院の神本議員からは、当事者・民間サポートグループのお陰で、今回の改正ができたことにつき、コメントが、また同じく発議者の福島参議院議員は、今回の議員立法実質的な市民立法であると評した発言があった。
ビデオライブラリーで、審議の様子を見ることが出来る。
ビデオライブラリーのサイトからどうぞ


私も、早速見てみました。
 審議の中で、最高裁判所からは、相手方の審尋の正当な理由無き欠席が、保護命令の迅速な発令の障害となってはならないのであって、現在も他の要件が揃っている場合には、そのような運用がなされているはずである。という答弁があった。また、送達逃れなどを回避するためにも、現在保護命令の半数に関しては、審尋の当日に言い渡しているが、残りの半分についても、今後とも各裁判所で工夫していくことが必要とされた。
 また、今回の大きな改正点として、保護命令の接近禁止命令に関して、同居の子どもも対象となったが、相手方の面接交渉権との関係についても、家事審判などとの関係についても、見解が示された。
 蛇足ですが・・・
 提案者である女性議員に、委員会の女性委員が質問するという様子は、彼女たちのカラフルな洋服とともに、とても、目新しい感じをうけました。
 これから、国や県・市町村の基本方針や計画の策定に向けて、また制度趣旨を生かした運用をめざして、一層の努力を傾けたい。
 最後に、今回の改正で、特に気になったこと
保護命令の範囲が対象や期間の点で拡大したのは、被害者の保護という観点からは、大きな前進であった。しかし、法的サービスのユーザーである被害当事者にとって、使いやすいサービスであるかどうかと言う点では、いくつか疑問が残る。
 第一に、二種類の保護命令発令の基準である。これをわかりやすい形で、あるいは諸外国の例のように、緊急性で発令に要件の差をもうけることはできないのだろうか。もちろん、実際には、そのような運用がなされているのであろうが、それがユーザーにわかりやすい形で伝わらなくては、意味がない。
 第二に、退去命令の期間の延長により、その性質を改めて議論する必要が手出来たことである。二ヶ月というやや中途半端な期間設定の意味するところを十分に議論をし、実務を積み上げて行かなくてはいけない。特に再度の申し立てが認められたことを生かし、被害者の支援につながる形で、制度を育てて行かなくてはいけない。

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